ツチヤンの生活日記

将来にはのび太くんになりたい28歳 ♂ in 名古屋 (・土・) 。※このツチヤンはフィクションです。

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1.ヨッちゃんの余裕 (ゆうたろ)

1.ヨッちゃんの余裕

 ヨッちゃんには余裕があった。勉強もスポーツも絵も音楽もできた。いろいろできるだけでなく、なんかこういうのなんて言うんだろう、カリスマ?。
 小学5年生ながらに言葉づかいが落ち着いていて、マジで、だとか、ヤバい、みたいな言葉は使わなかった。前に、なんで使わないのかさりげなく聞いてみたら、なんかうまく言えないんだと言っていた。僕はその気持ちがあんまりよく分からなかったけど、ヨッちゃんは別にそれで困ることはないらしい。だから使わないんだと思う。

 先生はよく、余裕のヨッちゃんっていうのは君のことだね、と満足そうに言って、そのたびお決まりのように教室は湧いたけど、ヨッちゃんが笑っていたかどうかは見えなかった。ヨッちゃんの席は前の方にある。
 おかっぱというかちびまる子ちゃんみたいな髪型で、似合っていた。ただ、ちびまる子ちゃんには似てない。ちびまる子ちゃんは見たことがないと言っていたけど、あれは嘘だと僕は思っている。でも、本当にすました顔で見たことないんだというので、もしかしたら本当かもしれない。

 最近は女の子も結構、男の子と同じ言葉を使うようになった。僕たちは元気よく、その時々のはやり言葉を駆使して会話をするのだ。そうした方が話が弾むし、友達な感じがするのでそういう言葉で話す。旬な言葉を見極め、いかに使いどころを見極めるかが会話のポイントだ。
 ヨッちゃんは女の子だからそういう言葉を使わないというよりは、やはり、上手く言えないし、使わなくても困らないからか、使わない。だからかヨッちゃんが喋ると、日本語を喋っているんだけどなんか雰囲気が違うのだ。方言を喋っているのとも違う、英語を喋っているのとも違う。なんだろう、日本語なのに違う言葉を喋っているみたいだ。

 みんなもなんとなくそんなことを感じているのか、ヨッちゃんと話すのには少し勇気がいる。

次回、「2.メディアアートとヨッちゃん」に続く



ゆうたろ(102号室)
小学校2年生の時、学童保育所で1つ年上のツチヤンと出会う。最近見た夢は、血圧計が自分の血圧に耐えきれなくて爆発する夢。現在は大学でデザインを学んでいる。

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