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ツチヤンの生活日記

将来にはのび太くんになりたい24歳 ♂ in 名古屋 (・土・) 。※このツチヤンはフィクションです。

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僕の見ている色はあなたの見ている色と同じか No.012

実る林檎は赤。晴れ渡った空は青。
生い茂る草木は緑。卵の中身は黄。
闇夜は黒。光は白。
 
僕はそれを見てその色を感じる。
あなたもそうと思う。
 
ただ、一つわからないのは僕が感じるその色を、あなたが僕と見ているその色と同じ色に感じているかどうか、ということだ。
 
僕は林檎を見て「赤」と感じる。
だが、もしかしたらあなたはその林檎を見て僕の言うところの水色を感じているかもしれない。
あなたの頭の中では水色は「赤」なのだ。
林檎だけに限らず、僕の見ている世界の赤色は、あなたの目には全て水色に置き換えられているということだ。
 
あなたが見ている世界の色を僕の見ている色でいうと、実る林檎は水色。晴れ渡った空は黒。生い茂る草木は桃色。卵の中身は白。闇夜は赤。光は茶色。なのかもしれない。
 
同じヒトである我々は等しく脳、眼球、神経を以ってそれぞれ視界を得る。
だが、全く同じ世界を感じているのだろうか。
 
白黒反転した画像を思い浮かべて欲しい。
2つの画像は同じものを見ているが色は全く異なる。
例えば、僕の見ている世界の色は反転後、あなたが見ている世界の色は反転前かもしれない。
その画の同じ場所を指差す。
同じものを指すが、認識する色は全く異なる。
あなたが指す白は僕にとって黒なのだ。
しかし僕らはそれを同じ色と呼んでいる。
 
または文字。
僕には「こんにちは」という文字は「こんにちは」と見えるが、もしかしたらあなたの見ている「こんにちは」という文字は、僕から見ると「◎▼⊿∴□≧」と見えているのかもしれない。
しかし僕たちは共通してそれを「こんにちは」と読むことができる。
 
実際にこれを確かめるには魂を引き抜いてあなたの体の中に入れ、その身体で世界がどう見えるか試さなくてはならない。そんなことは勿論不可能だ。
もしかしたらこの疑問は生理学的に説明することができるのかもしれない。
ただ、同じものを見ているのに、あなたと僕が同じものを感じているかどうか僕にはわからない。
そして何もそれは、視界だけに限らない。 

 

僕にはわからない (講談社文庫)

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