ツチヤンの生活日記

将来にはのび太くんになりたい28歳 ♂ in 名古屋 (・土・) 。※このツチヤンはフィクションです。

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読書感想文について

この年になってようやく読書を覚えた。

と言っても気分が向いたときにだけ辞書を片手にしながら小説や教養書を読むという程度で決して熱心な読書家ではない。

この記事は活字離れが進む現代で、本を読むことに忌避反応がある人に特に読んでもらえたらいいんじゃないかしら。

 

今まで、漫画はそれこそ手塚治虫石ノ森章太郎藤子不二雄から今週の週刊少年ジャンプまでなるべく広く手を出してきたつもりだったけれど(活字)本はほとんど読めなかった。活字が密に並んでいるのを見ると目がすべってしようがなかったのだ。それがいつの間にか自ら書店や図書館に足を運ぶようになったので不思議なもんである。

きっかけはなんだったろうか。僕ははだしのゲン火垂るの墓サイボーグ009などによる幼少期からの刷り込みで戦争が怖い。不穏なニュースが続く中で日本が戦争に巻き込まれるんじゃないかという心配から「池上彰憲法入門」という本を購入したのが始まりだった(ような気がする)。教養書を自ら購入したのは初めてのことだったと思う。

 

おかしな話で、ずっと「読書すること」を「物語を読むこと」と勘違いしていた。教養書を読むという選択、発想が僕にはなかった。

自分でもいまだに理由がよくわからないんだけれど、推理してみるに一因として中高生の時分、読書感想文を書く時くらいしか本(小説)を読まず教養書などは歳上な大人の読み物だという思い込みが強かったためなんじゃないかと思う。

そんな誤解を長年抱えたまま、ある日漫画雑誌を立ち読みに行った書店でぼーっと新書のコーナーを眺めていたときに「あっ俺ももういい歳じゃん」と頭の中でカチリとなにかがはまったような大きな意識の転換があったのは確かだった。

ただ読書できるようになったなんて一般の人から見たら全然当たり前のことで特に大事でないとは思うんだけれど、その際感じた高揚感はずっと解けなかった難問の正解がようやく見つかったときのような、僕にとってすさまじいひらめきだった。間抜けな話だけどね。人間から道具の使い方を教わって喜ぶ動物みたいだ。早く人間になりたい。

その後は池上彰さんの著書を中心に、ほかにも日本の文学に少し触れてみたりだとか親父とお袋の部屋の本棚から何冊か盗ってきて読んでみたりだとかしている。まだそんなにしょっちゅう読む習慣ができていないので本が山になっているんだけれど。

 

今はインターネットが普及して本なんか時代遅れと思っている人もいるかもしれない。月並みな言い方になるけれど本の世界というものがやはりあってそこにはインターネットの世界やテレビの世界にはない文化(知識)がある。なにより、単純に面白いからみんなもご本読んだらいいのにと今では思う、今日この頃であった。

 

そういえばこの間、先述したような話を知人にしたら「書を捨てよ、町へ出よう(寺山修二)」だの、「本を読むとは自分の頭ではなく他人の頭で考えることだ(読書について/ショーペンハウエル)」だの聞かされて思いっきりずっこけさせられてしまった。

もうちょっと読書するようになってから教えてくれればいいのに、親切な人である。

 

(・土・)ノ

 

池上彰の憲法入門 (ちくまプリマ―新書)

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